𝗕𝗿𝗲𝗮𝗸 𝗧𝗵𝗲 𝗦𝗶𝗹𝗲𝗻𝗰𝗲 -𝗧𝗛𝗘 𝗠𝗢𝗩𝗜𝗘- を感じて

前置き

防弾少年団の映画を見たのはこれが初めてでした。特に印象に残っているのは、世界中のどの国のスタジアムでも、紫色のアミボムが7人を照らしていたことです。
観客の方のキラキラひかる目を見て、『방탄소년단』は世界共通語なのだとこの時改めて感じました。

身を削って世界中を飛びまわる防弾少年団7人の個人インタビューは、(2000円超の鑑賞チケットなのでファンしか見ないだろうと思ったのか)テレビで見る防弾少年団とは打って変わり、直接的で彼らの素直な言葉なんだと感じました。
推しとは関係なく、ナムさんとジョングクのコメントは特に心の響く内容で、今もまだ、字幕を読んだ瞬間に電気が走ったようなあの感覚を忘れられません。


RMのことば

🐨着ている服、撮られる背景、インタビュー、歌詞..僕という人間全てが検問されている気がする

以前、ナムさんは政治について意見を求められた際に、外国人だとは思えない程の流暢な英語で当たり障りのないコメントを発言しました。
ですが読み取りをする人が10人いれば10通りの解釈が生まれる訳で、それが火種となったことがありました。
各地で大きくネットニュースに取り上げられ、賛否両論が生まれていました。
もちろんナムさんは、あの場で個人的な意見を述べることはなく、韓国人の大衆が思うこと、あるいは中立の立場で意見したナムさんでしたが、日本のネットニュースでは残念ながら、ナムさんが批判を浴びるような文面で記事を書いていたことを忘れません。
上記は2020年の出来事で、映画は2019年以前に撮っているものなので全く関係はありませんが、彼らはデビューし、世界中から注目を浴びるようになってからさらに細心を払って行動言動をしています。・・・が、彼らのその努力は必ずしも報われる訳ではありません。
私なら、ファンさえ分かってくれればそれでいい。と思いアンチや一般人を切り捨ててしまうタイプの人間ですが、7人は自分たちが政治や法律、世界までもを動かしてしまう人間であることを重々理解し、このアンチの人たちや一般人、マスコミなどにも気を遣い活動しています。

先程のナムさんの映画の中でのコメントは、想像を絶する努力と我慢の繰り返しで、遂に本音が漏れたのか、また別の意味を持って発した言葉なのか、彼にしか分かりません。
ですが、これが本心であることは間違いありません。
防弾少年団のリーダーであることから、コメントを求められることが多く、その度に気を遣っている訳です。
服のデザインやセルカの背後に移る物たちは、ファンが逐一チェックしSNSに世界公開しているので見ようと思えば誰でも見れるし、それに対する意見を言おうと思えば誰でも言えます。
作詞作曲をして曲を出せばファンが考察をし、今のナムさんの気持ちでは無いのかと、嘘か本当か本人にしか分からないことをでっち上げられたりもします。
RMとしての意見は中立で話すことが多いですが、RMも一人の人間です。キムナムジュンとしての気持ちや意見は必ずしもありますがそれを表に出せないもどかしさを直に触れられる言葉でした。


ジョングクのことば

🐰僕の意味は(中略)何もありません。

かなり端折ってしまいましたので、全文を載せます。

🐰僕の意味、正直よく分かりません。まだまだです、僕は。

🐰僕の意味について考えるのは・・・・・・・・・、

🐰何もありません。


ここから分かるのは、ジョングクの自己肯定感の低さ。
この発言をしていた時の顔がものすごく印象深く、ファンになって日が浅い私でさえもうるっときてしまいました。

ジョングクは幼い頃から事務所に練習生として入社していて、防弾少年団の最年少メンバーとして2013年にデビューしました。中学生でした。
翌年に日本デビューし、2016年ある一曲で防弾少年団が世界的大ヒットしました。この時もまだ高校生です。

ジョングクが高校を卒業し、防弾少年団がもっと世界を飛びまわるようになった時、中国である言葉がTwitterのトレンド入りしました。
『only6』=『ジョングク以外の、6人だけ。』
この言葉が意味するものは、本人たちにとっても私たちファンにとっても、とても残酷です。
当事者から、それについて言及されることはありませんでしたが、見る度にやつれていくジョングクは姿かたちから言葉にしきれないショックを物語っていたようでした。

以後、Twitterで『僕はいらない人間ですか』(ニュアンスですみません)と呟いたところ、再トレンド入りしました。再トレンド入りの事実を知り、ジョングクは『もっと努力します』とツイートしました。
そこからジョングクはツイートやセルカを一切上げなくなりました。

その後、ダンスや歌のスキルは目に見えてどんどん上達していっていたし、それを褒めるファンのおかげか、少しは自信を目に宿らせていました。

一件落着かと思いきや、ジョングクの誹謗中傷はこれだけではありません。
ジョングクがタトゥーを入れた時、分かりやすく一番荒れてしまいました。元々自分に自信があるタイプではなく、努力家で有名なジョングクですが、自己肯定感や自愛心が弱く、その上誹謗中傷を浴びせられるため、承認欲求が強い(けど満たされない)ジョングクが遂にタトゥーを入れました。

ペン卒が相次ぎ、今までジョングクの擁護をしていた人達が、強烈なアンチになってしまったり、ジョングクが目にする世界はガラリと変わってしまいました。
そんなジョングクが残したコメントは、『僕の意味はありません』

ファンとしては、あまりにも寂しく冷たいコメントと感じてしまいました。もちろんジョングクの今の精神状態はジョングクのせいではなくて、心無いコメントを世界中の誰もが見れる場所に書き残した人達です。
ですが、ジョングクのために生きている人は少なからず全世界にいるのに、ほんのひと握りのアンチがジョングクの精神を狂わせている事実が許せないし、ジョングクの行動言動を全肯定する(私みたいな)ヲタクもいるのにアンチにばかり気を囚われてしまっていることも悲しくなった。

(推しだからこそ)色んな感情が出てしまって、処理しきれないところは正直否めません。・・・が、防弾少年団にジョングクが居る意味は、貴方がわからなくても隣で一緒にやってきた6人と、全世界のファンが必ず理解しています。
幼い頃から誹謗中傷に見舞われて、精神状態が安定する時は今でも数少ないとは思いますが、自分自身を体も心も大切にして、安心して防弾少年団に居てほしい。です。


あとがき

映画ではこのコメントのあと、Still With Youの音楽とともに、euphoriaのソロ映像が流れます。

Still With You 、あなたとずっと。

少し掠れた加工をされたジョングクの色っぽい声と切ない歌詞が相まって、涙腺を崩壊させようとしてきます。
沢山嫌な思いをしてきたはずのこの仕事を、楽しんでやっている姿を見た時はとても嬉しいし安心します。ファン心理で、ジョングクが無理をしていないか心配にもなります。
いい意味で怖いもの知らずに、全力でジョングクをまもる6人のお兄ちゃんたちがいるからこそ、今のジョングクがあると思うし、今もジョングクが生きてこれていると思っています。

防弾少年団、今日まで活動してくれて本当にありがとうございます。これからもみんな仲良く、楽しく活動してくれれば何も望みません。


ジョングクと防弾少年団に幸せだけが訪れてください。